【アーティスト派遣】井野小・二週目の報告

2012年10月23日、井野小学校にアーティストの宮田篤さんと笹萌恵さんを派遣し、「いちねんせいのさくひんてん」に向けての授業を行いました。
タイトルは《おとなりちゃん》。 “いつもそばにいたけれど、ずっといっしょにはいられないかもしれないもの”と自分の姿を隣り合わせて、作品の世界でお話しします。

 もうすっかり宮田さんと笹さんの名前を覚えた一年生と、前回の続きです。まずはおさらいとして、製作途中の作品を発表しました。他の誰のものでもない、子どもたちひとりひとりが持つ経験と個性が表れた作品を、保護者の方々が温かく見守ります。

【おとなりちゃん】と自分の会話を、大きな吹き出しにしてみよう。みんなのお父さん、お母さんもサポートに入り、アイディア交換しながら楽しく制作を進めていきました。「前に考えたのと同じじゃなくていい?」と言葉の発想も新たに、前回よりも会話の内容に広がりや深まりが生まれていました。

 セリフができたら今度は自分と【おとなりちゃん】の番。それぞれを画用紙から切り抜きます。細い手足や細かい髪の毛の部分はどうしよう?大人たちは余白をとって大まかに切るよう勧めますが、そこはこだわりたい子どもたち。描いた形になるべく沿って、器用にハサミを入れていきました。

 画面から抜け出し現世に降り立った【おとなりちゃん】と自分の姿。すると子どもたち、それを両手に、または隣にいるお母さんと片方ずつ持って、遊び始めました。作品をお人形のように動かしお話して、子どもたちが、自分の作品と新しく出会った瞬間です。

【おとなりちゃん】と自分と会話の吹き出しと。それぞれを台紙の上に直立させる形で配置していきます。各要素を支える三角柱のつくりかたを宮田さんと笹さんが伝授。長さを調整して高低差をつける、【おとなりちゃん】と自分を向かい合わせにする、自分をユーモラスに逆立ちさせてから、【おとなりちゃん】と目が合うように瞳を描き直す、【おとなりちゃん】化した絵本の中のカラフルなページを周りに足していくなど、配置の仕方にも工夫とオリジナリティが発揮されていきました。

  こうして子どもたちが経た、現実と空想の間を行き来しながら一つのものと向き合う時間が、多様なストーリーを持つ作品として結実していきました。オレンジ色の帽子から生まれた【みかんちゃん】、救急車のミニカーから生まれた【キューちゃん】とお隣り合って繰り広げる夢いっぱいの会話。身近なものとの関係を、家族と一緒に振り返るだけでなく、これまでとは異なる価値も見出だせたようです。

今回【おとなりちゃん】として生まれ変わったものたちが、この先いつまで子どもたちと一緒にいられるかは分かりませんが、気持ちを新たに何かとの関係を結び直す体験は、子どもたちの成長の一歩となり得たのではないでしょうか。

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