下西進アーティストトークレポート

5月の井野アーティストヴィレッジオープン日。
夏のような日差しの中、
昨年度の取手アートプロジェクト・国際交流プログラムで
フィリピンのサンティアゴ市で滞在制作を行った
下西進さんの派遣報告会が開催されました。
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多くの参加者の方に集まっていただき、報告会スタート。
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まず下西君から、現地の概要と
1カ月と2日間の滞在中の動向を、プロジェクションとともに報告。
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司会は東京芸術大学音楽環境創造科教授、熊倉純子さんが務めました。
(2010年度TAP実施本部長でもあります。)
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熊倉さんは、アートマネジメント運営の観点から、またこれまで
数多くのアーティストインレジデンスの内実を見てこられた経験から、
今回の派遣事業をめぐる一連の事柄について、
来場者とともに検証を試みました。

彼の口から語られた制作活動と、
現地の人たちとのやりとりの報告から、トークの中では
滞在していた期間に生じた、
現地受け入れ先との意識の違いとそれに伴って生じた軋轢、
アーティストインレジデンスとは
到底呼べない特殊な地域社会と政治的状況を背景に
彼がなんとか制作を続けようとふるまう過程で
深まっていった現地の人びととの溝と反感が
徐々に明らかにされました。

今回の滞在制作が必ずしもスムースなものではなく
制作を目的とするアーティストと、
現地受け入れ先の人びととの意図の小さな差異から始まり、
それがそれぞれの文化的背景、歴史背景を含んで
反発、不理解の膨張を招いていったこと。

文化を異にするもの、
あるいは歴史的経験を異にするものが相対したとき、
そしてその一方が文化や歴史といった個人と不可避なものを
えぐり出すことを生業とするアーティストであったとき、
そこに生じうる大きな衝突の可能性が
今回の派遣事業を通して改めて浮き彫りになりました。

ただそこには現地の状況の理解と情報の共有不足、
アーティストのセレクション
(そのコミュニティにおくるべきアーティストを適切に判断できていたか)、など
TAPという派遣コーディネート側の責任が大きくあることも事実です。

トークの以後も、この派遣事業のあらゆる意味での検証を行う
必要があるように思う3時間でした。

そのようなトークを経て、
最後に、「本当は、この衣装で登場しようかとも思ってたのですが…」と、”フィリピン風”いでたちで再登場した下西君。
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エンターテイナーとしての素質十分・・・!だけでなく、
そこにはきっと装いにある「ステレオタイプ」の存在を観客に知らせる行為でもあったように思えました。

  ・ ・ ・ ・ ・

トーク終了後は、下西君がサプライズで用意してくれた「バロット」やフィリピンのスナックで、現地の味覚を体験。
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これがバロット…アヒルの、孵化直前の卵とのこと。現地では屋台などで気軽に皆が食べている食材なのだそうです。
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その味は…?
一口目にやはり勇気がいりましたが、
やわらかいところと、お肉感のあるところがあり、初めての味でしたがおいしくいただきました。ごちそうさまでした。

ご来場いただきました皆様、またディスカッションに参加してくださった皆様、ありがとうございました。

 

 

 

(はばら)

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